「見る力」が弱いと学力低下にも影響する!?見る力のトレーニング法 ~part.2~

見る力 子育て・育児

こんにちは、ゆきです。

『見る力』には、

①「目から入る情報=入力系」を脳に伝達し、
② 脳で「情報を整理して認識=情報処理」して、
③「動作に移すために筋肉に命令を出す=出力」

の①から③の一連の流れがあり、認知面が発達するためにこの一連の流れがスムーズに行えていることがBESTです。

ものを『見る力』は、生まれてから徐々に発達して、6歳くらいまでに基礎ができます。

 

前回のpart1では、①番の「目から入る情報=入力系」についてお話ししました。

今回は、②番の「情報を整理して認識=情報処理」についてお話しします。

 

※こちらに同内容の動画も撮っておりますので、文章を読むのが面倒くさい方はこちらからどうぞ。

脳の情報処理とは?

情報処理って言われてもなかなか分かりづらいですよね?

例えばですね、目の前にリンゴがあるとします。

リンゴ

私たちは、目にした瞬間「りんご」と分かるのは、目にした「赤くて丸い果物」という情報(視覚情報)と、すでに頭にある「りんご」という知識とが結びついてモノを認識します。

こういうことを情報処理と言います。

 

そして、情報処理をするための必要な能力として大まかに5つに分けられています。

Ⅰ.目と手の協応性

針に糸を通す

目からの情報と連動して手を動かす能力になります。

例えば、針の穴に糸を通すときの動作のようなことです。

 

目と手の協応性が発達するとできるようになること

・枠の中にバランスの良い文字を書くことができる
・切らないといけない線をハサミで上手に切ることができる
・折り紙の時に、複雑な折り紙を折るようなことができる

目と手の協応性の発達を促す遊び

・シール貼り
・なぞり書き
・迷路
・スライムや粘土
・工作など触覚を伴う物での遊び
・クッキング

Ⅱ.図と素地

図と素地

ある物を背景(地)として認知して、ある物を形(図)として浮かび理解する能力です。

例えば、白い紙に黒い線で格子柄が描いてあるとします。

その上に同じく黒い線で、星が描かれているのをイメージしてください。

「背景=地」が格子柄で、「形=図」が星として、私たちは認識することができます。

その能力です。

図と素地が発達するとできるようになること

・教科書の中で先生が指摘する部分を探して読むことができる
・絵の間違い探し、人混みで知り合いを見つける、探し物をすることができる

※著しい遅れがあると一文字や短い文章は読めても、長い文章の読みなどで読みづらくなることがあります。

図と素地の発達を促す遊び

・ぬり絵
・重なった図形などで、見てほしい形を色をつける、ハサミで切り出す、拡大して見せる、図形を分けて見せる

Ⅲ.形の恒常性

五円玉とセロハンテープ

丸や三角、四角といった形は、向きや大きさやデザインが変わっても、丸や三角、四角であると分かることです。

例えば、お金とセロハンテープ。

大きさやデザイン質感が違いますが、私たちはその形を丸と認識することができますよね。

この能力です。

形の恒常性が発達するとできるようになること

・椅子が、裏側からでも逆さまにしても椅子として認識できる
・形をカテゴリー分けにできる
・漢字を効率よく理解したり、学習できる

形の恒常性の発達を促す遊び

・ドライブやお散歩の時に子どもと一緒に丸、三角、四角などの形探しをする
・積木遊びで丸、三角、四角などの形を使って、蝶々やお家など作る

Ⅳ.空間の位置関係

コップを取る

物事と、自分の体との位置を認知する能力のことです。

例えば、テーブルの上に水の入ったコップを置いているのを思い描いてください。

水を飲む時、コップに手を伸ばして1回で取ることができますよね?

これは、自分からどの方向にコップがあって、どのくらい離れているか分かっているから、失敗なく取ることができます。

この能力です。

方向音痴の方はこの能力に弱さがあります。

空間の位置関係が発達するとできるようになること

偏とつくり

・自分を中心に上下左右、浅い深い、遠い近いなどを認識できる
・漢字の偏とつくりを正しい位置で覚える
・算数の筆算で数字の桁を間違えずに計算できる
・逆さまでも文字を読むことができる
・サッカーやバスケなど、チームスポーツで敵と味方やボールの位置を把握できる

空間の位置関係の発達を促す遊び

・間違え探し
・オセロや将棋

 

<文字学習に時間がかかる子におすすめ>
・升目(ますめ)を広くとったり、十字には線を入れたりする
・一画ずつ色を変える

Ⅴ.空間関係

運動会開会式

2個以上の物の位置関係や自分との位置関係を理解して、左右・上下・前後・遠近・接離などを知覚する能力です。

例えば、運動会の時の開会式では、前を揃えるだけでなく、左右も意識して同じ間隔を空けて並びますよね?

その同じ間隔を空けることができる能力です。

空間関係が発達するとできるようになること

・バランスよく文字や漢字を書けたり、図形を描いたり認識することができる
・物がぶつかりそうな時に危険を察知できる
・自分以外の人にとって、何がどのような関係に置かれているのか理解できる

 

空間関係に遅れがあると、黒板やノートの書き写しが難しくなったり、動くボールをキャッチしたり、打ったり、蹴ったりすることが難しくなります。
また、場の空気を読めないのもこの能力が関係しています。

空間関係の発達を促す遊び

・風船バレーやボール遊び
・ブランコ、ジャングルジムなど、揺れ遊具の中で物を見る

 

今回は、「見る力」で学力アップ!part.2、「情報を整理して認識=情報処理」についてお話をさせて頂きました。

また次回はpart.3として「出力」動作に移すために筋力に命令を出すところの話をしたいと思います。