話す時に目が合わない子どもの5つの理由
こんにちは、ゆきです。
今日のお話は、育児ではもちろん、発達に課題がある子どもさんにも有効的です。
って思うことありますよね?
話す時に人と目が合わない、人の目を見続けることが苦手な原因は色々あります。
今回は、その5つの理由についてお伝えいたします。
もしこのうち2つ以上該当していたら、お友達とトラブルなど起こりやすいかもしれません。
1.多動性・衝動性がある
2.目や耳から情報が入り過ぎる
3.人よりも物に興味がある
4.言葉を聞いても意味が理解できない
5.記憶を保持する力が弱い
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
多動性、衝動性がある
多動性・衝動性というのは下記のような行動をする子どもさんです。
・座っていて貧乏ゆすりしたり、手遊びしたり、いつもキョロキョロ周りを見ている
・目の前に物を出されたら触らずにいられない
・友達が遊んでる玩具が目に入ったら、我慢できずに取ってしまう
・物音が聞こえたら何の音なのか確認せずにはいられない
このような行動は、発達障害のADHDを持つ子どもさんの特徴とも一致します。
しかし、障害を持ってない子どもさんでも、2歳頃は自分の思い通りに歩けるようになって楽しいと思ったり、物と名前が一致してきて新しい知識が欲しくて探索する行動としてよく見られ始めます。
なので、このような特徴を持つ子どもさんは、園ではお部屋の真ん中でお友達が遊んでる環境でお話しても、周りが気になって先生に注意を向け続ける事が難しく、周りをキョロキョロ見ていたり、興味がある玩具を見つけてしまうと、頭の中が目の前にいる先生ではなく、玩具だけになってしまいます。
家でもそうです。
TVがついていたらまず、お母さんよりも興味があるTVや玩具で、頭の中はいっぱいになっています。
・大人が壁側に座って、子どもが大人しか見えない環境にする
・部屋の角を利用できれば尚良し
・壁や角を作れない時には、パーテーションなどで区切るのも有効
・しゃがんで子どもと目の高さと合わせてお話する
このようにお話をする人だけに注目できる環境を作ると、時々、目をそらしたとしても話が伝わりやすいです。
目や耳から情報が入り過ぎる
目や耳から情報が入り過ぎる場合、2つのパターンがあります。
もちろん、1で話した、衝動性・多動性を持つ子どもたちも、情報が入り過ぎてしまっているから起こる行動とも言えます。
それとはまた別の状態です。
1つ目が『入ってくる情報の種類が多すぎる』ということ。
つまり、目で見た情報や耳から聞いた情報、触った感覚など、色々な種類の情報が複数同時に入ってきたら、何を選んで何に注意を向けたらよいのか分からなくなり、話している人に注意を向ける事が難しくなります。
2つ目は、以前動画で上げた「耳ふさぎをしてしまう子どもの原因と対策方法」でもお話した、聴覚の過敏がある子どもさんや目からの情報を優先的にとらえてしまう視覚の過敏を持つ子どもさんです。
ここで、聴覚の過敏については、「耳ふさぎをしてしまう子どもの原因と対策方法」の動画を是非参考にされてください。
視覚の過敏については、後日お伝えできればと思います。
2つのパターンともに、余計な情報を取り除くこと。
周囲が騒がしい時は、静かなところへ連れて行ってお話したり、物が視界に入らないように大人が壁側に来てお話をするなどの配慮が有効です。
人よりも物に興味がある
“人よりも物に興味がある”とは、どういう状態かというと、
その子どもの「見たい」と言う優先順位が、話している人ではなく「物」へ注意を向けることなのです。
例えば先生が目の前で話をしたとします。
でも、その先生の来ているTシャツの絵や英語のスペルが気になって気になって仕方がなくて、話しを聞くことができないのです。
学校の授業でも、先生に注目しようとしても、黒板の周りに貼ってある掲示物や時計の数字が気になり、先生の話に集中しにくい子どもさんもいます。
あと、自閉傾向のある子どもさんにもよく見られますが、物の名前や遊び方、使い方を理解ができるようになってきた2歳頃の子どもでも、知っている物や玩具が近くにあると、話している大人に注意を向け続けるのは難しいです。
子どもと話す時には、周りに本人が興味を示す物を置かない事です。
道具を手に持つだけで話に集中できないので、物は置いて、両手を繋いで子どもの目線に合わせるようにしゃがんでお話すると、しっかり話を聞いてくれます。
言葉を聞いても意味が理解できない
“言葉を聞いても意味が理解できない”とは、どういう状態かというと、
「言葉」には、それぞれ「意味」がありますよね?
私たちは、相手の話の意味が分かるから、耳を傾けて聞き取ろうとします。
もしこれが分からなかったら、混乱しやすく、興味がなくなり、注目し続ける事が難しくなります。
例えば、海外旅行に行ったとします。
現地でラテン語で話しかけられたらどうでしょう?
「あーっ分かんないー」と不安になり、話を聞くどころではなくなると思います。
子どもは知らない言葉を話されると、途端に集中力が切れて、手遊びをし始めたり、「うん、うん」など聞き流す事があります。
話しながら子どもの表情を見てると、「うん?聞いてるのかな?」と思う事がありますよね?
そう感じる時は、ほぼ聞いておらず、理解できていません。(笑)
「子どもに伝わってないなー」と感じたら、子どもさんの知っている単語や表現に変えて話すように心がけてください。
記憶を保持する力が弱い
耳から入る言葉を「記憶」として保管する能力があります。
これを「短期記憶」といいます。
言葉を「短期記憶」する場所には、子どもの発達により容量があります。
一つの文章にいくつもの指示する言葉が入ると、いくつも「記憶」しなければならず、入りきれずに忘れてしまいます。
だいたい小学1年生で、5個まで耳で聞いた言葉を記憶できるとされています。
話をする前に「何個話すよ!」と手で数字を作って伝えます。
伝えたい事が子どもへの指示ならば、子どもが一つ終わってから二つ目の指示を伝えるようにします。
また、やめてほしい事などを注意する時は、絵や文字で書きながら伝えるのが有効です。
短期記憶は、耳で聞いた聴覚情報より、目で見た視覚情報を保持しやすくなっているからです。
子どもに話を伝えるためには、どんな子どもでもそうですが、話す時間は年齢の分数が良いとされています。
2歳なら2分、3歳なら3分。
なので、短く、子どもの分かる言葉で伝えることを心がけてみてください。
いかがでしたでしょうか?
話す時に目が合わない、目を見続けることができない子どもさんには、これらを意識してお話をしてみてください。